徒然綴る、夢想事

まとまりのない駄文置き場です。 内容も、更新も、すべて気まぐれ。

「もののあはれは彩の頃。」二次創作「暁光一筋、国境越えて」あとがき

 この度は、「もののあはれは彩の頃。」弊二次創作「暁光一筋、国境越えて」をお読みいただき、ありがとうございました。
 こちらは作者のとりとめもないあとがきとなります。
 諸々語る前に、こっちにあとがきを投稿した理由ですが、作品の後ろに付けるのは読後感が損なわれるんじゃないかなというのと、あとがきは作品じゃないからということです。
 果たしてここまで追いかけて読んでいただいている方が何人いらっしゃるかわかりませんが、もしよろしければ少しだけお付き合いのほどよろしくお願いします。
 
 さて、どこからお話ししようかというところなんですが、まあまずは「暁光一筋、国境越えて」を書くに至った経緯からですかね。 と言っても、実はとても単純なもので、時は2020年9月、さくレットの発売が間近に迫りワクワクしている中、ふと見つけてしまったわけですよ。
「彩頃二次創作でクレアだけ連載作品がないよね」という呟きを。

 あー確かにないよなー、他の子はあるのになんでかなー。
 ……。
 
 ……よし、書くか。(!?)

 ええ、本当にこんな感じでした。自分でもびっくりなちょろさです。でも実際、彩頃で初めて二次創作を書くくらいお気に入りキャラなんだから、どうせならクレアの連載も自分が先駆者になってやろうじゃないかとは思ったのです。

 じゃあネタはどうするの、という点についてですが、実はイギリスに行かせる構想自体は彩頃の二次創作を始めた頃からありました。ただその当時は、「ただ行かせるだけじゃつまらないし、どう考えても短編じゃ収まらないよなぁ」ということで流しちゃってたわけです。でいろいろ考えた結果、思いついたのが今回の「卒業旅行&婚約」、おかげでそれなりに様になったと思っています。

 けど、書き始めた当初は1万5千字×5話くらいで、12月のクレアの誕生日に完結予定だったのが、6話+番外編の10万字越えになるとは。こんな長編書くのも初めてでしたし、想定なんてあてになりませんねほんと。
 そんなこんなで書き始めたクレア長編アフター、何を一番書きたかったのかと言うと、「二人の関係性の完成形」に尽きます。クライマックスのプロポーズがその最たる部分ですが、それ以外にも、本編から4年という月日を経て一々言わずともお互いの意図をすぐに汲み取ったり、小さい問題程度で喧嘩しないという熟年夫婦のような関係になったというところですね。
 京楓やみさきとは違い、クラスメイトではあったものの双六まではほとんど交流もなくただの知人だったクレア。付き合ったばかりの頃は些細なことでの衝突も多かったでしょう。また、作品中でも書いた「他の子に暁を取られるんじゃないか」というクレアの不安は、本編でのクレアの自己評価の低さから派生させたものとしています。
 これらを乗り越え、真に信頼し合える間柄となったことを表現したく書き綴ったわけですが、少しでも伝わっていたらいいなというところです。
 
 次は、各話を書いてた時の感想……の前に、タイトルの解説を。
 まず「暁光」は、暁とクレア(ラテン語で「光」の意味)を表しつつ、単語本来の「明け方の空の光」も持たせています。「明け方」→「未来」という連想で、これからの二人が明るい未来に進んでいくことを願ってのイメージです。「一筋」は一緒になった二人を、「国境越えて」はそのまんま旅行のことです。
 ……まあこれ、今でも「いいタイトルだな」って思いと「痛いでしょこれ」って思いがぶつかってるんですけどねw。
 で、改めて第一話からですが、出発当日とその前日譚。書いてるときは「細かい旅行計画は後の話の回想にぶち込めばいいや」と、かなり見切り発車な感じでした。さくレット発売が近かったし、時間かけてらんねぇ!と。これは実際のところ「助かったけど結局考える作業を先送りしただけ」でしたね。最も第一話を書く時から、調べものに次ぐ調べものの嵐でしたが。まず関空からロンドンに行く直行便があるのかというところから始まり、発着時刻、航空会社に発着ターミナル等々、かなり細かく調べています。知らないことだらけで楽しくはあったわけですが。
 続いて第二話と第三話のロンドン編。ストリートビューと公式サイトとにらめっこする日々でした。英語を読むのもまあ大変でしたし、ストリートビュー見て「何でこんなに名物が多いの!?」とうんざりしてました。書き始める前は「暁は大英博物館行かせとけばいいし、あとは通り道になりそうなとこを適当に」と考えていたらあんなことに。でも実際に観光してる気分になって楽しくもありましたね。まあ純粋な観光パート+ちょっぴり恋愛ものとして楽しんでいただけていたら幸いです。
 番外編は、まあ内容がアレですので特に語る部分はないです。あ、強いて言うなら自分の書くアレのパートは、余裕があるときは漢字で喋らせて、余裕がなくなってくるとひらがなにするという使い分けをしています。SSは当然声が付かないわけですから、自分なりに「感じてる状態の表現」を模索した結果です。これやると地味に文字数を増やせる効果も。
 第四話と第五話は、観光色を抑えて恋愛方面に軸足を移していくことを意識しました。ここで一番悩んだのは「クレアの出身地をどこにするか」。本編で「イングランドの片田舎」とは言いつつ、じゃあどこなんだよ!?とw。結果としてまず誰も知らないであろう町にしたわけですが、「Clare」姓が多い出身地があるかなんてのは一応調べはしました。それとクレアの母親の名前はすごく適当に付けました。クレアが「Craire」、バークリーが「Berkeley」とC、Bで来たから、「じゃあAで……Anneでいいか」という具合です。観光については、ロンドンほどたくさんの情報がある訳ではないところだったので薄くなったなーという感じですが、逆にロンドンが濃すぎましたよね。
 そして最終話、プロポーズから帰国を書いてる辺りはどうにも表現しにくい感情に襲われていました。「結ばれて良かった……、良かった……」、「帰ってきたな……」と一人で感動してましたね。でもフットパスの件を書いてるときは「ストリートビューに何で道が載ってないんじゃあー!」とキレ散らかしてたんですがねw。町の公式サイトにあった手書き?の地図の説明を何とか読みながら書いてました。他にもクレアの過去を捏造してる場面で「そういや京都の学校の卒業式ってどんなんだろ?」と調べたら、女の子は着物を着たりするそうで、変なとこで無駄知識を得たりしてました。これ別のアフターで使えないかな。
 
 さてさて、適当に書き殴ってみましたが、文章にするのって難しいなぁと改めて思う次第。伝えたいことをあまり表現できていない気しかしませんが、まだまだ実力不足ということでしょう。それでも、この長編を完結まで書き切ったというのは私の誇りです。そのモチベーションになったのは、読んでくださった皆様であり、それが「次も書くぞ」という原動力になりました。改めてお礼申し上げます。
 最後になりますが、今回ある意味集大成的な作品を出したわけですが、私自身他のヒロイン含めてまだまだ書きたいという意欲だけはあります。ネタが付いてこないのが悩みの種ではありますが、そのうちひょっこり思いついたらまた書くと思います。どうかその時までお待ちいただけたら幸いです。
 
 それと、みさき・琥珀の長編アフター書く人は現れませんかね?